点滴の量や副作用はもちろんの事、外した際の張り返しについても詳しく解説したいと思います。
みなさん、切迫早産で入院すると、どの様な治療を受けるかご存知ですか?
切迫早産で入院するとほとんどの妊婦さんが張り止めの点滴投与を受けます。
ウテメリン(塩酸リトドリン)という薬を24時間継続的に母体に入れ、子宮収縮は抑えられていきます。
その一方で副作用が強い事でも知られるこの点滴。
手の震えや吐き気など多岐に及ぶので、切迫早産で入院した方、これから入院になる可能性がある方はぜひ一度読んでみて下さい。
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切迫早産入院での点滴投与
切迫早産で入院すると、
私は代表的な張り止め薬・子宮収縮抑制剤の「ウテメリン」を投与されました。
ウテメリンの濃度と投与量は、切迫早産の進行具合によって、その都度調節されます。
ウテメリンってどんな薬?
まずウテメリンの概要を見てみましょう。
子宮の収縮を抑える薬です。
おなかの張りや下腹部の痛みをとり子宮の状態を正常に保って流産や早産の進行を抑えます妊娠16週以降37週未満の方に使用します。
緊急性のあるときには入院して注射薬(ウテメリン注)で治療します。
点滴として子宮の収縮が治まるまで続けますが、収縮状況などをみながら適宜、点滴の量を調節していきます。
引用元:葛飾赤十字産院-切迫流産・切迫早産とウテメリン(塩酸リトドリン)
張り止め点滴ウテメリンの濃度
ウテメリンの点滴の濃度は主に5%のブドウ糖注射液500mlに対して、ウテメリン注射液を何本混ぜるかで決まります。
私の場合5%
ウテメリン注射液が3本なので、看護師さんは3A(アンプル)と呼んでいました。
医師の判断によって、1A(アンプル)から6Aまで投与する事が出来るそうです。
張り止め点滴ウテメリンの投与量
続いて、先ほどブドウ糖注射液で薄めたウテメリン注射液をどのくらいのペースで投与するかです。
私の場合は、入院初日は1時間あたり20mlの投与でした。
ウテメリンの強さの最大値はおおよそ120までの様です。
3×20=60
という強さで投与されました。
ウテメリン点滴の副作用

ウテメリン点滴には副作用があります。
副作用の一覧を見てみましょう。
- 横紋筋融解症(手足のしびれ・けいれん、手足に力が入らない、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿)
- 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス(異常にのどが渇く、多飲、多尿、食欲亢進、多食、脱力感、もうろう、意識がうすれる)
- 汎血球減少(全身がだるい、動悸、頭重、頭痛、階段等を上る際の息切れ、めまい、皮下出血、歯茎の出血等)
- 血清カリウム値低下(心臓の動悸が激しい、脈が飛ぶ、腹部の痛み、吐き気、筋力の低下、筋肉痛、足がだるい、手足の痺れ、痙攣、便秘、神経機能の低下、睡眠障害虚弱、不安、イライラ、抑うつ、血圧の上昇、ドライスキン)
- 新生児腸閉塞(便秘、腹痛、嘔吐、排便・排ガスの途絶等)
引用元:副作用大百科
副作用は人によって異なり、症状の重さは個人差があります。
私の場合は、
最初は箸でご飯をつまんだり、
数日経つと慣れましたが、手の震えは点滴投与期間中ずっと継続していました。
もう一つは動悸でした。
寝る時に頭の中で心拍音がバクバクと耳に響いたり、

ウテメリン点滴の針による血管の痛み
切迫早産で入院していると、基本的には常に点滴する事になります。
24時間(お風呂に入れる方はその時以外)点滴をさしているので、徐々に点滴針の近くが痛くなります。
しかしながら、すぐには針は差し替えしてもらえないですよね・・・。
5~10日くらいの周期で針の位置を変えていきますが、正直2,3日で痛くなります。
点滴の針から少し離れた所にまで痛みが拡がっている時は、早めに差し替えた方が良いと思います。


どうしても痛い時は、看護師さん・助産師さんが手が空いてそうな時に差し替えを頼んでみると変えてもらえることもあります。
点滴の差し替えをするたびにあざが増えてしまいますが、数か月で消えます。
切迫早産入院中の点滴量推移
入院後はひたすら点滴と安静です。
ここからは私の場合の話になります。
入院日数 | 1時間あたりの点滴量 |
1日目 | 20ml |
5日目 | 23ml |
13日目 | 26ml |
17日目 | 13ml |
18日目 | 0ml |
最初は1時間あたり20mlの点滴投与で十分効き、おまかの張りが減っていたのですが、入院後5日目に強い張りが続いたので、医師の判断により1時間当たり23mlになりました。
その後、13日目には26ml/hに増量されました。
妊娠週数が進むこともありますし、身体が薬に慣れてしまい効きにくくなるせいもあるようです。
最初は1週間位で退院できると思っていたのですが、子宮頸管の短さ、子宮口が2センチ開いていた事もあり、正産期に入る37週目までの18日間という長期の入院になりました。


ウテメリン点滴を外したあとの張り返し
退院に向けて最後の壁となるのが、ウテメリン点滴の中止とともに起きる張り返しです。
私は正産期に入ったら退院して良いと医師に言われ、前日に点滴量を減らす事になりました。
私は37週目の正産期に入る前日の午後に点滴を半分に減らし、37週目に入った日の午前中に点滴を外しました。
張りが増え、NST(ノンストレステスト)で調べると約6分間隔でした。
ノンストレステストについてはこちらの記事をご参考ください。



腰が痛くなり、べったりペーパーに付く位の出血もありました。
14時頃、助産師さんに
お産になりそう!
と言われ、急いで夫に連絡しました。
お腹の張りが今まで無いほどに強く、いよいよお産なんだな!と思いました。
とは言え、生理1日目の様な痛みだったので、まだ余裕はありました。
夜になっても痛みは強くならず、内診されるも子宮口は以前と同じ2センチ。
お腹は痛かったので熟睡は出来ませんでしたが、少し眠りました。
朝7時頃、NSTで張りは計測したところ、6分間隔ですが前日より張りが弱まっていました。
先生が出した結論は・・・退院して良し!
切迫早産の点滴は張り返しあり?
結局出産したのは39週6日目、出産予定日前日でした。
退院前日はもう産まれる!!と焦りましたが、退院してからは自宅で穏やかな日々を過ごしました。
それでも生まれる気配が無かったので、結局家中を雑巾がけしたりお散歩したり。
普通の妊婦さんと同じように生産期を過ごせました。
この記事を読んでいる方は、毎日早産になってしまうのではないかと、不安な日々を過ごされているかと思いますが、こんな風に入院生活を乗り越えて、予定日前日までもった妊婦もいるんだと知って頂けると幸いです。
みなさんの今の我慢がいつかいい思い出になる事を心より願っています。








