陣痛促進剤?吸引分娩?お産に関する医療処置を知っておこう

   

お産は新しい命の誕生、何が起こるかわかりません。何らかの原因で、お産がスムーズに進まないような時は、母子の安全のために医療処置を行うことがあります。またお産の進行とは関係なく、分娩時には導尿(カテーテル)や剃毛などが行われることもあります。
その場で急に言われると驚いてしまうかもしれませんが、どんな処置があるのか事前に知っておくと、慌てません。今回はお産で、一般的に行われる処置についてのお話です。不安や心配がある場合は、医師や助産師に相談し、納得して処置を受けられるようにしましょう。

陣痛促進剤

どんな薬?

人工的に陣痛を起こしたり、陣痛を強める薬のことです。陣痛促進剤には陣痛を「誘発」する目的と、陣痛を「促進」する目的の2種類があります。基本的に経腱分娩が可能な妊婦さんに使用されます。

どんな時に行われる?

①予定日を著しく過ぎた時
具体的には、妊娠42週以降になると胎盤の機能がぐっと落ち、赤ちゃんが危険な状態に陥ります。なので42週が近づいているのに、陣痛が来ないときには誘発分娩をします。

②破水したのに陣痛が来ない時
赤ちゃんが包まれている膜が破れるので、赤ちゃんが菌に感染しやすくなります。これを出来るだけ防ぐために、破水後48時間以内に赤ちゃんが生まれるのが良いとされています。そのため破水した後、1日は自然に陣痛が来るのを待ちますが、それでも陣痛が来ない場合には陣痛促進剤を使い、誘発分娩をします。

③微弱陣痛でお産が長引いている時
陣痛が弱い時はお産が進まないので、陣痛促進剤を使う必要があります。ちなみに微弱陣痛といっても、寝られない位の痛みはあるようです。痛みがあると妊婦さんの体力が削られていきますので、辛い戦いになるようです。

④母体に合併症があり早く分娩させたい時
母体が妊娠高血圧症候群などを発症している場合、状態が悪化する前に赤ちゃんを取り出すべきと言われています。

⑤和痛分娩
麻酔をかけていますので、陣痛が弱くなりがちです。その場合、陣痛促進剤を使用しアシストします。

この他にも、これ以上母体に胎児がとどまると、危険が及ぶと判断される時に使用します。
ちなみに個人的な理由で使うのはNGです。記念日やゴロ合わせなどの理由で、何月何日に産みたいと陣痛促進剤を使うことはできません。あくまでも母体または赤ちゃんの健康状態を最優先に考え、陣痛促進剤の使用を行います。

どんな方法?

内服薬もありますが、万が一の時にすぐに中止できるよう点滴で行うのが一般的です。
最初はごく少量から投与し、量を調節します。

薬を使うと言われたら?

過去には陣痛促進剤、陣痛誘発剤を誤った使い方をしたり、安全管理を怠ったために、医療事故が起きたことがありました。しかし現在では、投与している間はママと赤ちゃんの様子を分娩監視装置で常にチェック、薬の量も調節しながら安全に使うなど対策がとられています。
陣痛促進剤は適切な管理の下で使えば、赤ちゃんの命を救うのに有効な薬です。陣痛促進剤と聞いただけで使用することを拒む方がいるようですが、医師が必要と判断した時はむやみに嫌がらず、なぜ必要なのか医師から十分な説明を受けて自分や家族が納得した上で処置を受けましょう。
薬の投与中に万が一、痛みが強くなったり吐き気があるなど異変を感じたら、直ちにナースコールをして看護師や助産師に伝えましょう。すぐに中止し適切な処置を行います。

吸引分娩・鉗子分娩

どんな時に行われる?

これまでお産が進んでいたのに、分娩第2期に入って陣痛が弱くなったり、赤ちゃんが産道をうまく進んで来られない、ママが疲れてしまっていきめない、など子宮口から赤ちゃんの頭が見えているのに、お産が進まなくなってしまった時に行われます。
お産が長引くと酸素不足から、赤ちゃんに胎児仮死の恐れが出てきてとても危険です。このように赤ちゃんが見えているのに、赤ちゃんの心音が落ちて出産を急ぐ場合、吸引分娩や鉗子分娩等の処置が取られます。

どんな方法?

・吸引分娩

会陰切開をした後、金属製の丸いカップを赤ちゃんの頭に当てて陣痛の波に合わせて赤ちゃんを引っ張り出します。

・鉗子分娩

会陰切開をした後、産道に二本の鉗子を入れ根本で交差させ、赤ちゃんの頭を挟んで引っ張り出します。ただし現在は鉗子分娩は少なくなり、ほとんどの病産院で吸引分娩が行われています。

赤ちゃんへの影響は?

赤ちゃんの頭に傷がつくのでは?頭が変形するのでは?と心配する人がいますが、その心配はあまり必要ないようです。吸引分娩の場合は、赤ちゃんの頭のカップが当たる部分に痕やコブなどができますが、1週間から2週間位で自然に治るといわれています。

母体への影響は?

子宮頚管や膣、外陰部の一部が裂けてしまう軟産道損傷が起こることがあります。なお吸引分娩を行わない通常のお産でも、会陰が裂けることが多く、それを防ぐために医師があらかじめ会陰を切る会陰切開を行うケースもあります。

剃毛

会陰切開や会陰裂傷などで会陰を縫合するときに、毛があると縫合の邪魔になるため、あらかじめ剃ることがあります。また産後は、悪露などで傷口が不潔になり、感染を引き起こしやすいので、感染予防のためという意味もあるようです。

どんな方法?

剃毛のタイミングはまちまちですが、助産師さんが石鹸をつけてカミソリで、陰毛を剃ってくれます。最近はサージカルクリッパーという医療用のバリカンのような器具で、陰毛を短くする処置もあるようです。病産院によっては、本人の意思を尊重し、剃毛を行わないところも増えています。

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導尿(カテーテル)

陣痛が強くなっていくと、トイレまで歩けなくなることがあります。そんな時、尿意を我慢して、膀胱がいっぱいになっていると、産道が広がらないことがあり、そのような時に導尿を行います。また長時間のいきみで、産後に膀胱の感覚が麻痺してしまい、排尿ができない時があるそうです。そのような際には感覚が戻るまで、導尿を行います。

どんな方法?

細い導尿用のカテーテルを尿道口に入れ、溜まった尿を排出します。カテーテルを入れた後は自然に尿が出ます。経験した事がある方はわかると思いますが、尿道口にチクチクとした痛み、不快感を感じることもあります。

私は別の手術でカテーテルを入れられましたが、手術の傷より痛く、苦手でした。

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排便を促す処置(浣腸)

妊娠中、特に妊娠8ヶ月以降は便秘になりがちですが、直腸に便が溜まっていると産道が拡がりにくいため、排便を促します。また、分娩時にいきみながら排便してしまうのを防ぐため、肛門から薬剤を入れる処置を行うことがあります。実際、陣痛の時に巨大な便が出そう、という感覚になる妊婦さんは多いと聞きます。

どんな方法?

グリセリン浣腸などを行う病産院もありますが、陣痛が始まっている場合は、苦痛を感じることも多いようです。そのため多くの場合、効き目の穏やかな座薬を使用するようですよ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?お産の場で突然言われると、びっくりしてしまうようなこともあったかと思います。特に初めての出産の場合は、わからないことだらけなので事前に情報収集し、心構えを作っておくと良いと思います。すでに出産経験があっても、産まれてくる赤ちゃんの顔や性格が違うのと同様に、お産も十人十色です。心配な点・確認したい点は事前に医師や助産師に質問することをお勧めします。

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